January 2011

January 06, 2011

世界のハンドボールを探し求めて2009〜その9〜

今年もよろしくおねがいします。

もう完全に過去のお話ですが、もう少しで終わるので最後まで話を続けます。





dc0107362





12月31日(木)。いよいよ帰国の日。いつもそうだけど、あっという間のドイツ滞在で、「いや〜帰りたくね〜なあ。」という気持ちを抑えながら出発の準備を整える。

 前日のキールから帰ってきたのは結局12時過ぎ。寝る時間が遅かったので、朝食をゆっくり食べている時間はなく、キャンセル。7時24分発、乗り換え無しで行ける、ハンブルクからフランクフルト空港駅までのICEはこの時間帯はこの一本のみ。予定では11時16分に到着。13時35分発の成田空港行き、ルフトハンザに乗るには十分に余裕がある。

 ホテルからハンブルク中央駅までは、道路一本渡ってすぐなのに、バッグがやたらと重く、移動するのに一苦労

 ハンブルクの駅で朝食と飲み物を買いICEに乗り込む。朝早いだけに、すんなりとS氏夫妻ともどもコンパートメントに乗り込み、朝食をほおばる。ICEに乗り込んで、携帯電話のバッテリーが心配だったので再度S氏よりFOMAのコードを借りて、席の脇にある電気ジャックに差し込んで充電。これで、釧路まではバッテリーは持つだろう。

「いや〜何事もなく帰れそうだな。でも何か、起こるんだよな、最後に。」

と、言ったS氏の言葉が今でも耳に残っている。全てはこの何気ない一言から始まったのかもしれない・・・・

 ハンブルグ出発し、ハノーファー中央駅に停車。ハノーファーには降り立ったことがないので、窓から町の様子をうかがう。異変はそのあたりから始まっていたが、お気楽3人組はまだ気づ訳もなく話し込んでいた。

 出発の時間になってもICEは動き出す様子がない。

 とは言っても、少々の停車時間なら、まああることだし・・・・しかし、15分、20分、そして30分と時間が経過。まだ、出発しないのかなあ〜と思い、ICEの窓から外を見渡すが、何にも景色は変わらない。

 さらに時間は経過。ちょうど通路を通ったドイツ人のおばちゃんが話しかけてきた。
「どこに行くの?」
「フランクフルト空港だよ。」
「どちらに?」
「日本に帰るんです。」
「そう。」
「どちらに向かうのですか?」
「タイなの。飛行機の時間は大丈夫?」
「13時35分なんだけど・・・」
「いったいどうなってるのかしらね・・・・」

 そんなやりとりをして、またしばらく時間がたった。ハノーファーに停車してから45分ほど過ぎたころに、やっと動き出した。

 こんなに時間をロスするなんて、まるっきりの計算外。ちょっと、時間に余裕がなくなってしまった。まあ、でも何とか間に合うだろう、と安堵していた。

 とは言っても、走り出したICEのスピードはいっこうに上がらず、まるでやる気が感じられず、のろのろと走っている。今にも止まりそうなスピードで。「おいおい、これじゃ〜間に合わんだろう!」と思いながら、窓の外を眺める。

 そして、何と次の駅でまた停車。これじゃ、ホントに乗り遅れるぞ・・・と時計を見ながら、ドキドキし始めた。すると、車掌から電車内にアナウンスが流れ始めた。早口のドイツ語で何を言っているのか理解できない。何やら雰囲気がただならぬ状況っていうのは何となく伝わってきた。通路で人が右往左往し始めた。さっき話したおばちゃんが、「ここでこの電車は止まるみたいよ。降りなきゃならないよ。」と血相を変えながら教えてくれた。

「えっ!?」
「空港に行くにはタクシーしかないみたい!」
と言って、降りる準備をしている。

 まずは、車掌に確認しよう、と思い通路を歩いて行くと荷物を抱えた人々が空港まで行くのにどうするんだ!乗り換えていく方法はないのか!補償はあるのか!みたいな会話でたくさんの人が乗務員に詰め寄って険悪な雰囲気で、小さいおっちゃんヤーパナーは出番無し。

 こんな状況じゃ、ゆっくり話しも聞いていられないと思いながら、窓の外を見ると大きなバックを持ちながら、足早に歩く人たちが続々とタクシーを乗り場に向かっていることがわかった。

 こんな小さな駅だからタクシー乗り場といったって、数台しか止まっていないだろう・・・と気づいたときはとても焦った。

 席に戻り、S氏夫妻とここで降りることを確認。ハノーファーからフランクフルト空港駅まで、ICEの移動距離は約300キロだ。300キロというと・・・釧路−千歳くらいの距離だ。アウトバーンを100キロで走ったって3時間はかかっちゃう。もう10時近くだから、確実に飛行機には乗ることができない。S氏夫妻は14時過ぎの関空行き搭乗。うまく3時間半でつけばチェックイン締め切りぎりぎりに到着できるかも・・・
それに300キロをタクシーで移動って・・・いったいいくら料金がかかるんだよ〜

 重いケースを引きずりながら、この小さな駅の外に出ると、たくさんの人たちが荷物を持ってタクシー乗り場に群がっていた。でもタクシーの数はやっぱり何台かしかいない。運転手と先に乗り場に着いていた人たちが話しをしている。その間に、状況が無線で伝えられたのかポツポツとタクシーが乗り場に集まってきた。

 様子を見ていると、何人かで乗り合っている。さっきICEで話したタイに行くおばちゃんも、タクシーに乗り込もうとしていた。

 「フランクフルト空港に向かう人は〜!」という声が聞こえたので、手を挙げて、呼び止める。ボックスカータイプのタクシーが止まり、荷物を積み込む。しかし・・・振り向くとS氏はいない。そう、ICEから降りるときにトイレに行ったのだ。さあ空港へ急がなきゃ!て時に・・・

 S氏が無事トイレから戻り、ボックスタイプのタクシーに乗り込んだ客は我々含めて3グループ。1つのグループはセルビア人親子でフランクフルトからセルビアへ。もう1つのグループはドバイへ行くとか・・・何だかよく分からない状況でタクシーはフランクフルト空港へと走り出す。

 「少なくとも3時間。」

 ここからどんなに順調にいっても3時間だから、もしかして奇跡が起こって間に合うか・・・・なんて考えながら、でも間に合わないよなあ〜とも思いながら、今何をすべきなのか考えていた。しかし、時間が経つにつれ、車の中は少し暖かく揺られていると一瞬ふと眠くなる。

 そうだ、実家にいる妹に電話してルフトハンザ航空の電話番号を調べてもらおう。と思いタクシーの中から電話。話している途中、電波が途切れ、会話も途切れ途切れ。やっと、ことの状況が伝わりインターネットで検索した情報をメールで送ってもらった。すかさず連絡してみると、電話がつながらない・・・・

うわ〜っ、どうなってるんだ〜

 もう一度、実家の妹に電話。確認するとその番号であっているという。そして今ドイツから電話することもルフトハンザに伝えてもらったにもかかわらず、電話がつながらない・・・・妹の話によればその電話がつながるのは日本時間で19時まで。8時間の時差があるドイツでは11時。げっ〜、あと2分で11時だ・・・。アタフタしながら、無念にも11時が過ぎてしまった・・・・。

 結局どうすることもできないまま、時間が経過。もう12時を過ぎた。あと1時間なんだけど、フランクフルト空港までの距離の表示は距離とスピードと時間を考えれば、間に合わない。もしかしたらS氏の関空行きはぎりぎり間に合うかも・・・・そんな時間になってきた。

 12時30分過ぎ。何とあともう少しというところで、いったん休憩するという!!動揺する3人の日本人の心境など全く関係なく、タクシーはアウトバーンのパーキングエリアに停車。おそらく人生の中でこんなに追い詰められて何かに急いだことがあっただろうか・・・・それをあざ笑うかのごとく、全く緊張感のない休憩時間。時間は刻々と過ぎていく。

 ああ、もったいない貴重な10分。再びタクシーは走り出す。

 フランクフルト空港が近づいてきた。時計はもうチェックイン締め切り時間を過ぎている。っていうかもう飛行機は飛んだかなあ〜何て考えたり。こんな時は全くドキドキしないものだ。ドキドキするっていうのは1%でも可能性があるって証拠なんだって気づいてしまったり。そんなテンションウナギ下がり状態の自分の横では、S氏夫妻が数分、いや数秒のわずかな可能性に賭けていた。まだ間に合いそうな微妙な時間。

 アウトバーンからフランクフルト空港に入る。

 タクシーは要塞のような空港の道路に走り込んでいき、タクシー乗り場に着いた。時間はチェックイン締め切り5分前ほど。まだ間に合うかも!S氏夫妻に奇跡が光が差しかけたのも床の間、いや、つかの間、タクシーは乗り場の入り口を通り越してしまった。何やら運転手が携帯電話で話し始めてる。

「ここ!ここだってば〜。」

といってみても、「分かってるんだけどさ〜、どこに車を止めればいいのかなんだよね〜。」みたいな感じで、辺りをキョロキョロしながら、結局、空港内の道路から再びアウトバーンに降りてしまった・・・・・。

「お〜い何やってんだよ〜。」

再びタクシーはアウトバーンを折り返し、さっき走ってきた道路を全く同じルートで走ってる。

 時間はチェックイン数分前。まだ間に合うかも・・・ようやく止まったタクシーから猛ダッシュで降り、S氏夫妻は空港の中に消えていった。

 タクシー代は600ユーロほど。S氏夫妻と自分のタクシー代を人数で頭割りした分で支払って、とりあえず空港に入る。

 さて・・・・どうしようか・・・この状況をどうやって説明しようか・・・・自分のドイツ語はもちろん、英語でも話すのは難しいなあ・・・・どこにどう説明すればいいのか・・・

 まずは、日本語が通じそうな全日空のカウンターを探してみよう、と思いつき探してみても、どこにも見当たらない。案内係に尋ね、聞いた場所に行っても全日空のカウンターは無い・・・・。

 空港の中をぐるぐる歩いて、散々歩いて見つけられず、休憩所のイスに座ってもう一度どうしようか考えた。

 このままじゃ、日本に帰れない・・・

 でもなんとかなるだろう・・・・・・

 どうしようか・・・・・

 日本にとりあえず飛行機に乗り遅れたことを電話で伝えたものの、いいアイディアが浮かばない。やばいなあ〜

 その休憩所でぼーっとしながら辺りを眺めてみると、スターアライアンスの看板がエスカレーターの下の物置のようなところに置かれていて、全日空のマークがついている。やっぱりカウンターはこの辺りにあるんだ!とキョロキョロしてみても、やはり全日空のカウンターは見当たらない・・・。

 もうここまで来たら焦っても仕方ない。何かいい案はないかなあと考えていた。するとひげ面の作業服着た男の人がその全日空の看板を動かして、ある1つのカウンターの前に立てて、ベルトで仕切る通路を作り始めた。

 やっぱり全日空は・・・ここなんだ・・・でもカウンターの上のモニター画面は別の飛行機会社だ。きっともう少ししたらここが全日空のカウンターになるのかなあ〜と思いながら、そのカウンターの方を眺めていると・・・・そのスターアライアンスと全日空のロゴの入った看板に日本語で「欧州顧客センター」の文字とそこの電話番号が書かれているのに気づいた。これだ!これしかない!

 すかさず電話してみた。事情を説明したが、無連絡の遅刻であることで救えるかどうか分からないことを言われた。調べ直してから、再度折り返し電話すると告げられ電話を切った。電話を切ると、電話のバッテリーが残り1つのマークに。うわ〜ぎりぎりだ。今朝、出発してからICEの中でS氏にFOMAを充電するアダプターを借りて充電しておいてホントよかった・・・・

 そうそう、そういえばS氏はその後連絡が来ないところを見ると、ぎりぎり間に合ったらしい・・・・。強運の持ち主だ・・・。

 電話を切ってから、もう1時間がたった。連絡が来ない・・・。えらく長い時間待っているように感じた。

 やっと電話が鳴った。もう3時を過ぎていた。今回は特別、翌日の同時刻の飛行機に追加料金無く乗ることができ、羽田−釧路までも同時刻の便で翌日の便に乗せてくれるとのことだった。いや〜助かった・・・・ANAありがとう。

 そうと決まれば、フランクフルトに戻って、宿を見つけないと・・・とにかく疲れたから寝たい・・・

 重いカバンをひきづりながらフランクフルト空港駅から中央駅へ。駅を出て、サヴォイホテルへ。部屋は空いていて、値段もまあまあだったので、即決。

 部屋に入って、夜ご飯を買いに駅へ。早く買っておかないと今日は大晦日。お店は早く店じまいしちゃう。前から食べてみたかった鳥の丸焼きを8ユーロで丸ごと買ってみた。その他にも怪しい何とかヌードル、そしてフルーツがボトルのような容器に入ってるサラダ。もう完全にやけ食いって感じ。

 ホテルに戻り部屋のバスタブにお湯を張り、つかる。生きた心地がしなかった今日一日を振り返る。

 わずか2日前にはゲッピンゲンで夢のような時間を過ごし、翌日はキールでオーメイエールやシュプレンガーと写真をとって浮かれてた自分と今日一日の自分。天国から地獄だ。

 風呂から上がり、買ってきたチキンを食べてみる。見た目以上に肉がいっぱいついていて食べながら焦った。おまけにモモのところは柔らかいけど、胸の辺りはパサついていて、のどが詰まるよ〜。何とかヌードルは、お話にならないぐらいゲロまず!麺自体、なんじゃこりゃ〜ってくらいおいしくない・・・・。さらにフルーツも今ひとつおいしいフルーツが入ってないし・・・・

 そして・・・となりに部屋、年越しモードの若いおバカカップルで、部屋のドア全開にして、ラジカセ持ち込み音楽全開。

 はあ〜、ついてないな〜

 年越しの花火の音や若者たちの叫び声が窓の外に響く中、ベッドに横になり・・・爆睡。明日は、めちゃめちゃ早く空港に行こう。

 いや〜日本に帰れてよかった・・・

 

wunderbar_handball at 23:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)世界のハンドボールを探し求めて 
QRコード
QRコード
最新のコメント
livedoor ピクス
本ブログパーツの提供を終了しました
訪問者数