February 25, 2010

世界のハンドボールを探し求めて2009〜その7〜

(前回の続きつづき)

EWSアリーナに向かう車の中で、新聞の取材があることをアレックスから告げられ、ちょっと落ち着かない感じの自分。日本でも個人の取材なんて一度もないのに・・・うまく答えられるかなあ〜。そう、事務所に行ったときにクーンルさんが言っていた「リトルサプライズ」の一つ目だった。


 数分後にアリーナに到着。正面の入り口からアリーナに入る。入場口でチケットを確認する女性にアレックスが話しかける。
「今日の試合を見に、彼ら日本から来たのよ。」
「え〜っ!本当に!フレンスブルグの応援に来たの?」
「違う違う。ゲッピンゲンよ。」
「!」(びっくり顔)


中にはいると、地元の20歳前後くらいの選手たちが練習をしていた。ちょうどゲームを行っている。試合開始までまだ1時間半近くあるから観客はまばらだけど、ハンドボール好きの人たちはそんな若手の練習を真剣に見ている。


 アレックスについて行くと、既に新聞記者とカメラマンが到着していた。挨拶して、いくつか質問を受けてた。ゆっくりな英語で話してくれているので何とか、むこうが聞きたいことがわかった。

 そのそばで、若い女性とおじさんが笑顔でそんな様子を眺めていた。すると、その女性が手に持っていたマッチデープログラムをこっちの方に笑顔で差し出してきた。ふとそれを見ると・・・何と・・・そのページに「自分」が記事となって、写真入りで紹介されている!!以前、アレックスから写真を送ってくれと頼まれ、その送った写真が2枚掲載されていたのだ。

「何これ〜!まあじ〜っ!!」

驚いている様子を見て、けたけた笑っているアレックス。そう、これが二つ目のサプライズだった。

 そこに先ほど事務所で会ったクーンルさんも加わり、アレックス、そして我々3人を新聞社のカメラマンが撮影。

 
 取材に来た新聞記者さん↓
ゲッピンゲン14

 



そしてその新聞記事(初の顔出し!)


 そこからクーンルさんがガイドとなって、8月末にオープンしたばかりのEWSアリーナを案内してくれた。新聞記者の彼女も一緒に歩きながら、さらに質問された。
「なぜゲッピンゲンなの?レムゴやキール、ハンブルグじゃないの?」

実は車の中でアレックスにも聞かれた質問だった。英語で答えるも難しくて、全くうまく答えられない・・・。そのときは、適当な答えが見つけられなくて、困ってしまった。ただ、初めてライブでブンデスリーガを見たのがハンブルグ対ゲッピンゲンだったことを話してみたり・・・・でも、自分でもうまく質問に答えられてないなあと思ったし、向こうも納得できる答えではなかっただろう。

 日本に帰ってきてからアレックスには改めて文字で質問に答え直そうと思った。ここ数年、ゲッピンゲンの選手たちはドイツ人が多く、ドイツ人以外の国籍の選手で世界選手権の上位の国の選手が少ないにもかかわらず、キールやハンブルグ、レムゴと好勝負を繰り広げるチームなのがとても魅力的だってことを。今シーズンはハースとカウフマンのドイツ代表2人が加わってさらにチーム力がアップしたけど、その前のシーズンも地味なチームながら常にリーグの順位は半分よりも上にいるチームだ。フレンスブルグやラインネッカー、キールにフレンスブルグみたいな、どこの国のクラブチームだかわからないような選手の集め方をしないのもいい・・・本当はそんなことをきちんと英語で話せるとよかったんだろうなあ。



 クーンルさんに案内されて、まずはカンファレンスルーム。試合後に記者会見が行われる部屋。何の試合かは分からなかったけど、HCライプチヒの女子の試合の映像が流れていた。
ゲッピンゲンB





そこから反対側を見下ろすと、サブアリーナがVIPルーム会場に変わっている。
ゲッピンゲンA





30秒ごとに広告が自動的に変わることや昨シーズン使っていたシュツットガルトのポルシェアリーナは、ゲッピンゲンの町の人口(約5万人)を考えると収容人数、建物が大きすぎることなどをクーンルさんがていねに説明しながらアリーナの中をあちこち案内してくれた。


下へ降りて、選手たちの控え室とアリーナをつなぐ通路。試合開始が徐々に迫り、様々なスタッフたちがそれぞれの仕事をしている。
ゲッピンゲンC




そこからアリーナのフロアの方へ歩いていくと、まだ若手選手たちの練習は続いていた。クーンルさんの話では、彼らはゲッピンゲンのハンドボールアカデミーに所属する選手たちで、16〜18歳、レフェリーが20歳だそうだ。将来、トップチームでのプレー目指して選手を育てているようだ。
ゲッピンゲンD





彼らの練習を何人かのゲッピンゲンの選手たちが眺めている。すると、オーペイア、カウフマン、シュヴァイカールトなどなどゲッピンゲンの顔とも言える選手たちがフロアに入ってきた。そこで試合前にもかかわらず、彼らと記念撮影。とても穏やかな笑顔で応じてくれた。



アカデミーの選手たちも、トップの選手たちやお客さんたちが自分たちを見ている中でプレーし、多くの「肥えた目」の中で練習を重ねるのだから上手くなるよなあ。
ゲッピンゲンE





 ゲッピンゲンの「顔」的な選手、オーペイアがすぐ目の前にいて、「今、サインもらっていいかなあ。それともゲームの後の方がいい?」ってアレックスや新聞記者さんに聞いたら、「今の方がベターだね。」って2人そろって言うので、図々しく持っていたユニフォームにサインをもらいに動いた。でも、ちょっと勇気が必要だったのは、そのオーペイアがカウフマンの向こう側に座っていて、カウフマンの前を素通りしてオーペイアに声をかけなければならなかったからだ。現在ブンデスリーガで得点王、ドイツ代表の左バックプレイヤーの前を素通りして、隣の選手にサインもらうのが何か気が引ける・・・と、きっとそんなことなんかぜ〜んぜん気にもしていないであろうカウフマンを目の前にして、ここぞとばかりに「小心者」ぶり発揮。「ついで」にもらうのも失礼だしなあ、と思ってオーペイアのところまで行ってサインをお願いした。

いつも思うけど、サインを求めると嫌な顔することなく、優しく丁寧に対応してくれることに感心してしまう。オーペイアは見た目がとてもイカツイ感じだけど、凄く優しく対応してくれた。



アカデミーの選手たちの練習が終了し、選手たちが各々ボールを使いながら、体を動かし始めた。

ゲッピンゲンH





しばらく、コートの脇で選手たちを眺め後は、ファンショップで仕事があるアレックスたちと別れて、自分の席に座ってウォーミングアップを見ていた。喉が渇いたのでコーラを買いに席から上に上がっていくと、もうファンで結構混み合っている。
ゲッピンゲンG




ゲッピンゲンF




コーラを買った後、ついでにブレッツェルも買って席に戻る。選手がアップしているところを眺めていると、コートの向こう側からアレックスが会場のMCさんと一緒にこちらに向かって歩いてくる。アレックスがこっちに向かって手を振っているので、手を振り返すとその「みのもんた」っぽい(←勝手な自分の印象)MCさんが、こっちへ来いと呼んでいる。コートへ降りていくと、その「みのもんた」が、

「英語かドイツ語しゃべれるのか?」
「ほんの少しだけですけど・・・」
「そうか・・・会場のみんなに君のことを紹介するよ。」
「えっ!でも英語もドイツ語も話せないよ・・・」(横で笑ってるアレックス。)
「大丈夫、オレが名前を紹介するから、そしたらあっち側とこっち側に挨拶してくれればいいから。」
「わかりました。」
「試合開始10分前になったら紹介するから、合図を出したらここまで降りてきてくれよ。」
「OK」


ってな訳で、これが3つ目のサプライズだった。

試合開始時間が少しずつ近づいてきた。選手たちのアップを夢中になって見ていたので、気がつけば観客席がびっしり人で埋まっている・・・。
ゲッピンゲンL





「同じ緑だからってここでマグデブルグのユニ着て降りていったら、間違いなく殺されちゃうね。」何てS氏と冗談なんか話していた。

そろそろ時間だ・・・すると「みのもんた」(完全に勝手にそう呼んでた。)がこっちに向かって合図を出した。


下に降りていき、選手たちがアップしているのをすぐ目の前で見ていた。そして、ドイツ語で何を言っているかはわからなかったけど、「日本から来た・・・」(そこだけわかった)って観衆の前で紹介されちゃって・・・

「誰よおまえ。」的な空気がないわけでもない中、口を開けながら手を振る自分(バカっぽい感じになっちゃいました・・・)。「こんな体験そうできないよなあ〜。」なんて思いながら、ぐるりと会場を見渡し、貴重な瞬間を味わった。

いや〜あの手この手で思い出をプレゼントしてくれたアレックスには本当に感謝だ。

いよいよ、試合開始が近づき、選手たちが入場。ブンデスリーガの楽しい瞬間の1つが「選手の入場」。この瞬間が、一気にテンションを高める。ゲッピンゲン名物のたいまつの中を選手が入場。日本の体育館なら、消防法がどうだこうだ、という話になりそうな感じだけど、こっちじゃ関係ないね。

ゲッピンゲンI





さっきのみのもんたが、名前を呼び、観客全員が苗字を叫ぶ。そして選手が子どもたちに導かれ走りながら入場する。


会場は超満員。

ゲッピンゲンK








アレックスが言っていたように、やっぱりここはゲッピンゲンサポーターたちのど真ん中。すぐ後ろでは、おじさんが小太鼓たたいて応援している。
ゲッピンゲンJ






 試合が始まり、何と何とゲッピンゲンがフレンスブルグを圧倒し、立ち上がり7,8分で5−0という一方的なスコアになる。フレンスブルグは早い段階でタイムアウトを請求という意外な展開だった。でも審判はライヒル、プラングペア。このペアが吹く試合を今まで何試合か見てきたけど、ま〜ず、彼らのジャッジする試合は8割方もつれる。何かが起こる。え〜って場面が必ずある。

 案の定、そのままの展開にはならず、前半はリードするものの、後半の残り10分にフレンスブルグが逆転に成功。退場を出すゲッピンゲン、流れに乗ったフレンスブルグ。

 うわ〜やばい・・・という雰囲気が覆う中、それを振り払ったのはカウフマンの強烈シュート。残り5分では逆転に成功し、会場は大盛り上がり。最後は突き放して、見事ゲッピンゲンが勝利!

 いや〜今日の大事な試合に負けたら、「あの小さい日本人が来たからだ。」見たいになっちゃうところだった・・・よかった〜。

 試合後、サポーター席に向かって選手たちが集まって、喜びを共に分かち合う。
ゲッピンゲンM




 
 
 その後は、コートに降りて選手と一緒に写真撮影。

ドイツ人に捕まった宇宙人ならぬ日本人その1(ドイツ代表ミヒャエル・ハース)
ゲッピンゲンN






ドイツ人に捕まった宇宙人ならぬ日本人その2(ドイツ代表マヌエル・シュペート)
ゲッピンゲンO






ドイツ人に捕まった宇宙人ならぬ日本人その3(ゲッピンゲンの顔 ドラゴス・オーペイア)ちなみに彼は9歳年下・・・
ゲッピンゲンP





 
席に戻り、しばらくコートの様子を眺めてから、アレックスがVIPルームで食事をさせてくれるというので、そちらに向かう。中にはいると、大勢の人。しばらくすると、試合後の選手が2名が登場し、さっきの「みのもんた」司会で、試合を振り返っている。ちなみにユニフォームのまま会場に来ていたのは、シュヴァイカールトとハースだった。
ゲッピンゲンQ





ゲッピンゲンR





VIPルームは食べ放題に飲み放題。3年前にはマグデブルグでVIPルームに入ったけど、そのときよりは料理の品数は少なかった。けど、ステーキは美味かった。

ヨエン、アレックスと思い出の一枚。
ゲッピンゲンT





着替えた選手やゲッピンゲンの監督ペトコビッチ、そして今日のレフェリーペアも一緒に飲みながら歓談していた。ふと振り向くと、ハースが着替えて近くのテーブルに座っていた。
ゲッピンゲンS





アレックス、ヨエンと雑談して、ビールを飲んで・・・最高の雰囲気の中、幸せな一時。


いよいよ帰りの電車の時刻が気になり出す時間。VIPルームを出た後に、ファンショップへ向かい、お願いしていた商品を購入。そしてEWSアリーナを出発。ヨエンとはアリーナで別れ、アレックスが駅まで車で送ってくれた。車に乗り込むと、お昼に見せてくれたケンパの本を我々にプレゼントしてくれた。


数分で駅に着き、ホームで電車を待つ。
ゲッピンゲンU




シュツットガルトへ向かう電車が到着。

「また必ず来るからね〜。」

「またね〜。」

そして、電車に乗り込んだ。


電車の中でも、体の中に試合の雰囲気、興奮が残ったまま。最高の会場、最高の試合、最高の歓迎。午後の2時から、アレックスやヨエンと過ごしたゲッピンゲンでの8時間は、自分の人生の中でも貴重な時間、思い出深い時間になった。

Fielen dank,Alex,Joern!


日本に帰国後、ゲッピンゲンのホームページ、それもトップページに私たちの記事が、そしてその日の試合のダイジェストにも名前入りで紹介までしてもらっちゃいました・・・・。

ゲッピンゲン市民には「おまえ、誰よ!」って感じだよね・・・・。

こんなに歓迎してもらったんだから、これからは100%ゲッピンゲンサポーターにならないとな。


ホテルに戻り、すぐに就寝。明日は、一気に北上。夜は、ドイツハンドボールの聖地ともいうべき「キール」だ




wunderbar_handball at 02:50│Comments(0)TrackBack(0)世界のハンドボールを探し求めて | ブンデスリーガ

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
QRコード
QRコード
最新のコメント
livedoor ピクス
本ブログパーツの提供を終了しました
訪問者数